車買取で契約後に減額を請求された時の対処法

「車の引渡し後に買取店から事故車だと分かったので、買取額を減額するか車を返却するか選択して欲しいと言われたがどうすれば良いのか困っている。」

「既に車の代金は入金されているが、後から減額と言われ返金を請求されている、これには応じなければならないの?。」

「これから車の売却を考えているが契約後に減額を請求されることってあるの?」

大きなお金が動く車の買取りにおいてトラブルは起こり得る事ですが、そのほとんどが契約後に起こっています。

しかし、多くの方が高く売れたら終わりと思ってしまいがちですが、実はその後が重要だったりするんです。

トラブルの中でも最も合いたくないトラブルの一つである契約後の減額。

買取店からの「新しい傷が見つかった。」「実は事故車(修復歴車)だった。」「不具合が見つかった。」などと言う理由で減額が出来るものなのでしょうか?

また、果たしてこういった一方的な請求に応じる必要はあるのか?

こんにちは~イズムです。

過去には中古車屋に勤めており、2013年からこの査定バカというブログを立ち上げ、多くの方の車に関するトラブル相談を受けて来ました。

つい最近も自動車公正取引協議会の記事内で減額請求に関する相談コメントをいただいたので、相談に乗らせていただきましたが、結果的には車の返却にも減額にも応じず、契約書通りの満額で解決できたようです。

読者相談

近年はこういった減額トラブルは減って来ており、あまり起こらないのかな~と個人的には思っていたのですが、今回こういった相談コメントを受け取り、まだまだ減額を請求して来る業者はいるのだと理解出来ました。

このような買取店等からの減額請求に対して、どう対応すれば良いのか分からないという方が多いと思いますので、この記事を書こうと考えました。

この記事を読むことで、以下3つの事が明確に分かるようになります。

  1. 減額や車輌返却の請求に応じる必要はあるのか?また、それに応じる必要がある時とない時の違い。
  2. 減額請求で困った時の相談先。
  3. 減額被害に合わない為にすべきこと。

基本的に減額や車輌返却に応じる必要はない!が、応じなければならないケースもあり得る

買取店等から「新たな傷が見つかったので10万円減額になります。」このような減額請求には、イズム的には一切応じない姿勢で対応するのが良いと思います。

その理由は、買取店のプロが査定しており傷を見落とした責任は買主にあると言えるからです。

しかし、ここで、ある疑問が出て来ると思います。

それは、車買取の売買契約書には良く「瑕疵担保責任」や「再査定」の項目があり、「隠れた瑕疵がある場合は、買主は売主に対して損害賠償の請求または代金の減額が出来るものとする。なお、契約の目的を達することが出来ない場合は契約を解除をすることが出来るものとする。」「引渡しまでに車輛の状態に変化が生じた場合は、買主の再査定により買取額を変更されても売主は異議のないものとする。」このような買主に有利で売主に不利な契約条項が書かれていることがあるが、これを無視することが出来るのかどうかという事でしょう。

車輌売買契約書

結論から言ってしまうと、こういった消費者が一方的に不利になるような契約条項は無効とする判決が多く出ているので、社会通念上で考えて無視することが出来ると言えるでしょう。

消費者契約法でもそのような記載がありますね。

第十条の「消費者の利益を一方的に害するものは無効とする」という法律です。

ただ、すべてを無視することが出来るとは限りません。

瑕疵担保責任を知ることが重要

車の買取りで言う瑕疵担保責任とは、買取店(買主)が通常の注意を払っても発見することが出来ないような傷や凹み、またはその修理跡が後で見つかった場合は、お客さん(売主)がその修理費用を負担したり、相当額を負担することを言います。

そして、この瑕疵担保責任は基本的に有効です。

じゃあ、やっぱり瑕疵担保責任は売主であるお客さんが負担すべきものなの?となると思いますが、どこまでが瑕疵なのかという事が重要だという事ですね。

何でもかんでも「瑕疵だ!」と言われても業者のやりたい放題になってしまうので、瑕疵担保責任を問えるのは、通常の注意を払っても発見する事が出来ないものとなっています。

通常の注意って言われても・・・線引きが分からないですよね。

査定をする人は、買取店であり事業者なわけですから、プロとなります。

プロであれば、目視すれば発見できる傷や凹み、またはその修復跡、それに類するものは全て瑕疵に含まれないと解釈することが出来るでしょう。

神奈川中古車買取センターの査定

すなわち、これらは全て瑕疵には当たらないというのがイズムの見解です。(あくまでもイズムの考えですが。)

  • 外装に傷が見つかった。
  • トランクを開けてみたらトランクフロアに修復跡が見つかった。
  • ボンネットを開けて確認したところフロントパネルに歪みが見つかった。
  • 車を持ち帰り上から確認したところルーフパネルに凹みが見つかった。
  • エアコンが効かなかった。

ただ、減額請求をして来る多くの業者は、これらを理由に減額を求めて来るので、厄介なんですよね^^;

これって隠れた瑕疵なの?って思いませんか・・・

「新たな傷が見つかったので10万円減額になります。」こういった理由で減額を求めて来る業者に対しては、こう伝えましょう。

「私の知っている限りの傷や修復は査定時にお伝えしております。査定時にあった傷なのであれば、プロである方が見落としているので、それは御社の怠慢でありミスでしょう。それに対して消費者である私に負担を求めるというのは筋違いである為、御社からの減額請求は拒否致します。」

契約書うんぬん言ってくる場合は、こう伝えてみて下さい。

「契約書に記載のある私側が不利な条項に関しては、消費者契約法第十条により無効とされると解釈出来ますよね?」

基本的にこれだけで充分ですが、布石を打っておきたいのであれば続けて

「もし、その傷が査定時にはなかった傷で、引き渡し時にあった傷なのであれば、引渡し時に御社が確認を怠ったことによるミスになるでしょう。なお、その傷を知らない私は告知する義務もありません。また、引渡し後に付いた傷なのであれば、当然ながら御社が責任を持つべきでしょう。」

「こういった理由から、契約書通りの代金を期日までに(速やかに)お支払い下さい。」

恐らく買取店が相手にするお客さんの中に、ここまで知識を持ち言える方は極わずかだと思いますので、買取店も早期解決に向けてそれなりの対応をして来ると思います。

買取店は知っているんですよ。

裁判になったら負ける可能性が高いって^^;

ですので「これ以上やると、もめそうだな~」と思わせれば勝ちです。

ただ、中にはこういったやり方を生業(なりわい)としている輩もいるので注意が必要ですので、後程お話ししますね。

減額に応じなければならないケース

では、逆に瑕疵に当たるもので、減額に応じなければならないケースとはどういったものなのか?

  • パネルや部品を取り外さないと発見する事が出来ないような傷や凹み、またはその修理跡。
  • 長距離走らないと症状が出ないような不具合。
  • 売主が知っているのに告げなかったもの。

このように解釈出来ると思います。

要は、査定現場でプロが見ても発見できないようなものは、瑕疵に当たると言えるでしょう。

また、注意すべきことは、あなたが知っているのにわざと告げなかったものに関しては、後々に見つかり減額請求されたとしても拒むことは出来ないという事です。

買取店では再査定と言っていますが、多くの(特に中小の)買取店では再査定と言いながら、オートオークションに出品してオークション会場の査定士が行う、出品査定に丸投げしているというのが現実です。

一部の買取店では、車の引渡しを受けた後に店舗で確りと再査定を実施しているところもありますが、それは少数派。

要は、オークション会場に車を運んで出品する時に隠れた瑕疵に気が付くという事になります。

という事は、自宅の近くの買取店に売ったとしても、減額請求される時点では遠くのオークション会場に車はあるという事になってしまうので、契約解除を請求された場合は、陸送費などの負担を求められることもあるという事ですね。

こういった内部事情を知らずに、見つからなければラッキーと修復の事実を告げずに買取店へ売却してしまうのは、かなり危険な行為と言えるでしょう。

なぜなら、買取店の営業マンのほとんどが査定士ではなく、軽く査定の仕方を教育されただけの営業マンでしかないので、新人に当たると隠してある修復歴などを見つけることが出来ず、契約まで行くことは普通にあり得ることです。

ですが、オークション会場の査定士は日々数多くの車輌を査定しているので、見落としする可能性は極めて低いのです。

そこで見つかってしまうとトラブルになるのは避けられないでしょう。

ですから、あなた自身が知っている修復などは全て伝える方が賢明です。

以前にイズムが相談を受けた方で、リアバンパーの交換とバックパネルの修復を言い忘れてしまい、後々に40万円の減額か、契約解除で陸送費6~7万円の負担どちらかを選択するはめになった方がいらっしゃいました。

結局は、車輌の返却を受けて再度他社へ査定に出したとしても、陸送費をカバーできるくらいの査定額は望めないので、減額を受け入れて減額幅の交渉をする方向で決着をつけるという話になりましたが、この方は3年前のバンパー交換だったので失念していただけですが、最初から伝えることが出来ればこういったトラブルにもならなかったのではないかと思います。

詳しくは、こちらの買い取り後の減額についてでお話ししておりますので、ご興味がある方は読んでみて下さいね。

なお、通常の注意では発見出来ないようなものを理由とする減額請求には、それ相応の対応が必要になって来ます。

まず、すべきことは減額の理由を明確に示してもらう事です。

  • どこのどの部分がどのようになっているのか?
  • なぜその金額なのか?

これが分かれば、査定時に目視で確認が出来たのかそうでないのかが明確になり、金額の内訳が分かる事で業者の主張する減額が妥当なのかどうかの判断をすることが出来るでしょう。

契約解除の場合に請求されるものがあれば、その内訳も確認しておいた方が良いですね。

例えば、キャンセル料、違約金、陸送費など。

これらを精査した上で、あなたの決断を下せば良いと思います。

納得がいかないのであれば、減額幅の交渉、減額の拒否、契約解除など選択肢はいくつかあります。

ちなみに、キャンセル料や違約金などは、実害以上の請求には応じる必要はないでしょう。

というのも、消費者契約法第九条には「当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるものは無効とする」と記載がありますので、実際に被るであろう損額の平均的な額を超えての請求は無効となります。

これは契約書にキャンセル料や違約金の額が明示されていても、こちらの法律が優先されます。

なぜなら、前述した消費者契約法第十条があるからですね。

減額請求や契約解除によるキャンセル料の請求で利益を出す悪徳業者

減額請求をして来る業者の多くは、敢えてしているという業者は少ないはずです。

しかし、中には契約時の買取額をわざと高くして、後で不具合があると難癖を付けて減額させることで利益を出す悪徳業者が存在します。

こういった業者の場合は、

  • 減額請求が高額である。
  • 契約解除には高額なキャンセル料などを請求してくる。

という特徴があります。

どっちに転んでも利益を多く出すことが出来るようにしているわけですね。

こちらも先ほどと同じように対応するしかないですが、減額や解除料の請求を前提で買取をしている業者の場合は、そう簡単には折れてくれません。

なぜなら、相場より高く買い取っている可能性が高いので、減額することが出来なければ赤字になることもあるからですね。

悪徳業者だと判断出来る場合は、

  • 連絡はなるべくメールなどで行うこと。
  • 電話の場合は録音しておくこと。
  • 直接会わないこと。

これらを守り、証拠を残し、身の安全を第一に考えるようにしましょう。

そういった場合は、後程お話しする相談窓口に速やかに連絡するようにしましょう。

トラブルに合ってしまった時に相談する場所はJPUC

買取店等から減額の請求をされているが納得出来るものではない、ただ、そう伝えても買取店側が折れてくれず、らちがあかないという場合に相談すべき場所は、JPUC(日本自動車購入協会)という団体がベターでしょう。

JPUC

JPUCは、中古車の買取に関するトラブル専門で相談に乗ってくれる団体ですので、ある意味車業界のプロの意見を聞くことが出来るというのが有り難いですね。

どんな団体なのかは、トラブルなく安全安心して車の売却をするならJADRIまたはJPUCの加盟店を選ぼうでお話ししていますので、知りたい方は確認してみて下さい。

ちなみに、相談先は国民生活センターでも良いと思いますが、車の買取トラブル専門ではない為に、たまに間違った返答が来ることもあるようですので、まずはJPUCへ連絡して相談に乗ってもらうのが良いでしょう。

減額の被害に合わないようにするには、そもそも減額しないと宣言している買取店で売ること

ここまで、契約後の減額請求に関してお話しをして来ましたが、こういう話を聞いてしまうと買取店に売る事を怖いと感じる方もいるかも知れませんね。

実際に査定バカへ相談をいただいた方の中には、売却後に減額されないか不安で仕方ないという方もいらっしゃいました。

詳しくは、こちらの再査定の減額に対する不安解消法にてお話ししています。

一時期、減額の被害が多発したこともありますし、中古車業界をもっと拡大していくには消費者が安心して利用できる市場を目指さなければならないという思いで、立ち上げられた団体があります。

それが先ほども一度名前が出て来たJADRI(日本自動車流通研究所)です。

2020年5月25日追記:JADRIは2020年6月に解体されました。

こちらの団体に加盟している企業は、再査定及び、契約後の減額を禁止されているので、JADRI加盟店で契約をすることで、こういったトラブルに巻き込まれることはなくなります。

では、JADRI加盟店をどうやって探せば良いのか?ということですが、JADRI会員企業一覧から探す事ができます。

ただ、1点ネックがあり、こちらに参加している企業数は70社ほどと少ないです。

なお、車を売る時は誰でも高く売りたいと思っていると思いますが、イズムが持てる知識を凝縮した記事、 車を高く売りたい人必見!いつ、どのように、どこへ売却すれば良いのかを徹底解説で高く売る方法を詳しくお話ししています。

ご興味があれば読んでみて下さいね。

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