赤字でも儲かる車買取の裏側

車の買取りにおいてたまに赤字なのに買取りをする業者が存在するのをご存知でしょうか?

買取業者の利益は、買取額-オークション落札額ですよね。

例えば、買取額が50万円でオークション落札額が60万円だとすると業者の利益は10万円となります。

それをオークション落札額が大体60万円なのに、62万円で買取る業者がいるということ。

利益というか損が2万円出てしまうということです。

 

これって素人の目から見ると何てアホな事をしているのか・・・と思ってしまいますよね。

しかし、実際にはこれでも利益が出ているという事実があるんです。

 

なぜ、利益が出るのか?これを今回はお話しして行きたいと思います。

 

赤字でも儲かる理由

前述したようにオークション落札額よりも高い買取額だとマイナスとなってしまいますが、赤字でも儲かる理由が3つあるんです。

  1. 大化けする車輌が存在する
  2. 小売りで大きな利益が出る
  3. 車輌以外の利益が出る

 

大化けする車輌が存在する

オークションでは、往々にして想定通りの落札額になることがほとんどですが、たまに想定外に高値落札となる事があり得るんです。

その要因は、オークションであるからです。

オークションとは、競りにかけられる物を、それが欲しいという人たちが競り合う形式になるのですが、たまに1台の車輌を競りに参加している業者2者以上が同時にどうしても手に入れたいと相場以上に競り合ってしまう事があります。

その結果、大化けする車輌が出て来るんですね。

 

これは、競り落とそうとする業者がお客さんから落札するように依頼された車輌だったり、小売りで確実に売れると判断した車輌だったり、理由は様々ですが、オークション形式だからこその旨味があるからこそ、赤字だと分かっていても買取をする事があるということ。

中には海外需要で大化けする車輌がありますが、そういった車輌は事前に予測が付く事が多いですね。

 

小売りで大きな利益が出る

買取業者の中には、買取った車輌を1週間程度だけ店頭に並べたり、ネット掲載したりして小売りをしている業者も存在します。

当然のことながら、小売りをする中古車販売店の多くがオークションから販売する車輌を仕入れているので、消費者から直接買取りをしている買取業者は、買取った車輌を店頭に並べて市場相場(販売相場)よりも少し低く販売したとしてもオークション相場よりは高く売ることが出来るので、大きな利益が期待出来るのです。

ですので、売却先ルートがオークションだけではない買取業者は表向きには赤字に見えても実は黒字化させているという事ですね。

 

車輌以外の利益が出る

車の売却において車輌価格が数十万円から数百万円と大きいので、車輌にばかりに目が行きがちですが、実は車輌以外の利益も少なからず出ているのです。

その代表格が以下になります。

  • 消費税
  • 自動車税・リサイクル預託金・自賠責保険
  • パーツ売却
  • 諸費用

 

消費税

消費税は物を購入する時に発生する税金ですが、消費者が車を売却する時には発生しません。

ですので、買取業者が査定額を62万円としたとすると、あなたが受け取れるのは62万円だという事になります。

ただ、買取業者はと言うと、オークションへ出品し60万円で落札されたとすると、それに消費税が付き、受取額は64.8万円になるんです。

買取額の62万円を差し引いても、2.8万円は利益が出るという事が分かりますね。

車買取における消費税に付いてもっと詳しく知りたいという方は、こちらの車を売却した時の消費税を使い買取額アップを狙う方法を読んでみて下さい。

 

もちろん、ここから買取業者は消費税を国に納めなくてはならないので、全てが利益となるわけではないですが、実は受け取った消費税を全額納めているわけではないんです。

これ以上突っ込んだ話になると税務的な内容になるので控えますが、こうして利益を獲得することが出来るという事だけ理解しておきましょう。

 

自動車税・リサイクル預託金・自賠責保険料

自動車税は、毎年4月1日時点の所有者へ1年分の自動車税の請求が来ますね。

あなたが乗っている車も次の3月までの自動車税は支払い済みだと思われます。(5月などタイミングによってはまだかも。)

もし、あなたが乗っている車を売却した場合は、前払いしている自動車税を還付してもらう事が可能なのですが、現在の買取業界では慣習的に買取額に自動車税は含まれるとしている業者がほとんどです。

ですので、先ほどの査定額62万円には、戻って来るべき自動車税が含まれているという事になります。

 

例えば、1600ccの車輌を8月に売却したとすると、本来返金されるべき自動車税は、39500円÷12か月×残月7か月=23,041円となるので、前述の査定額62万円には2.3万円が含まれているので、実際の査定額は59.7万円だという事ですね。

そして、車輌を買取った業者は、オークションで売却すると落札業者から自動車税分の2.3万円を受け取ることになるので、それが丸々利益になるという事です。

リサイクル預託金や自賠責保険料も同じ要領で、利益としているという事になります。

 

この還付されるべき自動車税やリサイクル預託金・自賠責保険料に関しては、車の買取額には本来返金されるべきものが3つ含まれているで詳しくお話ししています。

 

パーツ売却

高額なカーナビや社外パーツ、冬用に用意していたスタッドレスタイヤなどは、査定時にプラス評価されることはあまりありませんが、買取業者はこれらを個別に売却することもあります。

高額なカーナビなどは十万円近くで売買されることもある為、かなりの利益になるでしょう。

 

諸費用

先ほど、小売りで大きな利益が出ることがあるとお話ししましたが、小売りで売却した場合は、車輌代金以外にも諸費用と言われる、整備費用や手続き費用、代行費用、オプション費用などで多くの利益を上げることが可能です。

 

結論!赤字と言いつつ黒字である

実際にオークション落札額が60万円だとしても、買取額62万円で利益は充分出るという事が理解出来たと思います。

ですので、営業マンの言う「赤字覚悟で買取る。」「これ以上、高くすると赤字になってしまう。」という言葉は全てが嘘であるという事が分かりましたね。

営業マンから出る「赤字」というフレーズは、いかに自社の利益を大きくするかという戦略から出る言葉ですので、本気に受け止めないようにしましょう。

 

査定を受ける時には、是非ここでお話しした消費税や自動車税など業界の裏側を突いた攻め方をしてみて下さい。

買取業者からすると、「この人は車業界の事に詳しいな。」「下手な査定額は出せないな。」と安く買い叩こうとする事を防止する事にもなりますよ。

 

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