違反をグッと減らせる!交通安全週間を理解して安全運転を事前に意識しよう
交通安全週間とは
「交差点でやたらと警察官が目立つなぁ」とか「変なところにテントが張られて、おじさんやおばさんたちがいるけど何してんだろう?」と思ったことがあるのではいでしょうか?
実はそれが交通安全週間の1つの「行事」です。
交通安全週間というのは交通事情を取り仕切る国土交通省が行う啓発活動で、国民に交通安全の思想を植え付けて、交通ルールの大切さなどを示すために行われるものです。
主に春と秋に行われ、春は4月の初旬当たり、秋は9月の終わりあたりに行われます。
ちょうど年度初め、半期の区切りに行わることになり、そういった環境の変化によって流れが変わる交通事情を利用して、交通安全の大切さを広く浸透させようということで行われているのです。
主な活動としては、警察官による交通整理の強化、交通取り締まりの強化、自治会や町内会など街に密着した団体による監視、交通安全講習会などの開催といったものとなります。
この時期だけはあちこちの交差点に警察官がいて、余計な交通整理などを行っていますが、ドライバーからとってみればはっきり言って迷惑千万!
いつも通りに交差点を曲がろうとするとかなり遠くにいる歩行者を横断させるために長らく待たされて、その後ろの車に列が出来上がったり、パトカーが多くなるため、それがたとえ所轄系のパトカーでスピードの取り締まりができないパトカーであってもいつもより車がゆっくりと走るためにそれだけ自然渋滞が起きてしまいます。
地方などいつも道路がガラガラのところならそれでもいいですが、都心部など慢性的に渋滞が起こるようなところでそういった傾向になるようなことをしてもらっては迷惑以外何物でもありません。
それから交通取り締まりの強化がされますが、これはドライバーやライダーにとって一番うっとうしいものでしょう。
車載式のレーダー探知機でも交通安全週間に入ると注意を促すぐらいある意味で危険な時期です。
いつもいない交差点や一時停止の場所などにこっそり隠れていたり、とんでもないところで検問などを行っていたりと、別に何か悪いことをしているわけでもなく違反行為をしているわけでもありませんがそういった姿を見るとやはり気分はよくありません。
交通安全を普及させるのが目的なのに、警察からすれば交通違反を重点的に取り締まる時期という認識がされているようです。
また、町内会のテントの下にいるおじさんたち、そこを通るたびに「何してんだろう?」などと思うことが多いですが、おじさんやおばさんたちがお揃いのタスキやベスト、帽子などをかぶってテントの下に座って、お茶を飲みながら無駄話をしているだけなのに、それがどうして交通安全なのかわかりません。
時々、警邏中の警察官がいることもありますが、はっきり言って休憩所みたいなものです。
まあ、早い話、交通安全週間とは実質的にドライバーやライダーが運転しにくくなる時期、取り締まりを受ける可能性が高くなる時期といえるでしょう。
季節ごとの交通安全週間の特徴
交通安全週間は国土交通省が取り仕切っているものに関しては、基本は春と秋です。
それ以外にもその地域の状況にあわせて小規模なものや都道府県が主催する交通安全運動が春、秋に交通安全週間と同時に行われたり、夏や冬などに行われています。
交通安全週間に関しては年に2回行われているわけですが、春と秋ではその内容に違いがあります。
春の交通安全週間は、新年度になってすぐに行われるものですので、主に新年度になったことによる生活の変化に関わるものを重点的にチェックされることになり、一番強く意識するのが新一年生などを中心とした小学生です。
それまで親が伴って幼稚園や保育園に通っていた子供たちが登校班というものはあるものの、子供の集まりですので、大人がいる時とは交通安全に対する考え方が全く違います。
ましてや登校時は集団ですが帰宅時は個人バラバラで帰りますので、そういった社会性がまだ身についていない子供たちを交通事故などから守ることを最優先にしているのです。
それからもっと大きな子供や学生、社会人においても、新年度から生活環境が変わる、たとえば進学して今まで通ったことのない道路を歩いたり、自転車で走ったり、田舎から都会に出てきて就職をしたなどといった形で生活する範囲が大きく変わる、学年が進んだことで自転車に乗ることを許されるなどといったことがあります。
そういったことによる公道の使い方が今までとは違ってくるといったことに対した交通安全の推進活動も行われることになるのです。
対して秋の交通安全週間は、これから迎える冬を意識したことが重視されます。
特に日暮れが早くなることから視界の悪さによる交通事故を未然に防ぐため、自動車、自転車のヘッドライトの早期点灯や自転車や歩行者などに対して目立つ服装の着用をすすめたりします。
同時に自動車、オートバイ、自転車などでは、灯火類の整備不良の取り締まりなども強化されることに。
また、数カ月後に迫る年末、年末といえば忘年会などお酒の席が増えます。
忘年会シーズンにあわせた取り締まりはもっと年末近くになってから別途行われることになるのですが、その前置きとして秋の交通安全週間の時に飲酒に関する取り締まりも多くなるのです。
この時期に年末に向けて何か対策を講じるというのもちょっと早い気がしますが、この時期に取り締まりを行って痛い思いをしたり、そういった人間が周りにいたということで年末に飲酒運転などをしないように働きかけているというわけです。
後、これは交通安全週間とは直接関係ないのですが、夏や冬に行われる交通安全運動に関しても少しふれておきましょう。
まず夏の交通安全運動では、学生や生徒、児童などが夏休みに入るため、それに対した注意を行います。
大人でもそうですが夏休みとなると心が浮かれ、ついつい派手なことしがちです。
それに普段は学校内にいる子供たちが夏休みの宿題さておき(?)で午前中から遊びまくるためにどうしても交通事故を起こす確率が高くなってしまうのです。
そこで、自動車対歩行者、特に小学生、中学生当たりの年齢層の子供に対する注意喚起を行い、高校生になると原付バイクやオートバイなどに乗れるようになるため、二輪車に対する取り締まりも強化されます。
あとは地域限定ですが、海水浴でにぎわうビーチがある地域では、帰り道となる道路で飲酒の取り締まりが強化されることに。
これはビーチで飲酒をしてそのまま運転して帰る方が多いからで、現にそういった方たちによる交通事故が増えています。
一方、冬・・・という年末に行われる交通安全運動では、まさに忘年会のシーズンということで飲酒に関することを重視します。
繁華街を中心に飲酒運転や店舗に来るために乗ってきた車の違法駐車などの警戒にあたるのです。
降雪地帯ではタイヤの交換を促したり、雪道走行の方法や恐ろしさを伝える活動も行ったりしています。
交通安全週間で主に強化される違反行為とは
交通安全週間で具体的な結果として残るのが交通違反です。
そのほとんどが重点的に行われるいろいろな取り締まりや検問によって検挙されることが多くなりますが、すべての違反事項に対して取り締まりを行うわけではなく、交通事故の原因となりうる違反事項ばかり重点的に取り締まります。
スピード違反
これは年がら年中行われているものですが、交通安全週間になると通称「ネズミ捕り」と呼ばれる待ち構え型のスピード取り締まりが多くなります。
固定型オービスやループコイル式は、位置を移動することができませんので、場所を知っていたり、レーダー探知機で発見することができるのでいいのですが、レーダー式、光電管式、移動式オービスは神出鬼没です。
レーダー式はドップラーレーダーの照射によってスピードを検知するもの、光電管は2カ所におかれた光電管を通過する時の時間差でスピードを算出するもの、移動式オービスは通常のオービスと同様にレーダー波でスピードをはかり、その車両を写真に収めるもので、車載型オービスと携行型オービスがあります。
レーダー式はレーダー探知機で検知することができるので意外と発見することができますが、最近では車が近寄ってきた時だけ一瞬、レーダー波を出すステルスという取り締まり方法が使われるようになったので、検知が難しくなっています。
光電管はレーダー探知機では検知することができませんが、光電管を設置する物理的な条件があるため、できるところはかなり限られていますので、場所を知っていれば対策をとることができるでしょう。
それから移動型オービスは、車載型の場合は警察のワンボックスカーの荷台に乗せ、リヤウィンドウ越しに取り締まりを行います。
携行型は三脚のようなものを路肩に数本設置するもので、一見すると測量に使う測量機器のように見えますがそれもオービスです。
移動式の場合でもスピード取り締まりを行う場所がかなり限られているので、そういった場所を覚えておけばいいでしょう。
レーダー探知機でもGPS搭載モデルであれば、その場所に来れば注意をしてくれるのでそれに従えばいいと思います。
オービスの他にも通常どおりのパトカーや白バイによる追尾によるスピード取り締まりがありますが、最近では追尾だけでなく車載レーダーによる取り締まりもあるので注意しましょう。
レーダーはパトカーのルーフにあるパトライトの中央に付けられているのでその部分に大きな出っ張りがあるものはレーダーを装着したパトカーということが判断できます。
速度超過違反の反則金や反則点数ですが、これはどれだけのスピードをオーバーしたか、どこで違反を行ったかで違いが設けられており、一般道での普通車で言いますと
- 15km/h未満で1点と9000円
- 15km/h以上20km/h未満で1点と12000円
- 20km/h以上25km/h未満で2点と15000円
- 25km/h以上30km/h未満で3点と18000円
- 30km/h以上35km/h未満で6点と25000円
- 35km/h以上40km/h未満で6点と35000円
- 40km/h以上50km/h未満で6点と懲役または10万円以下の罰金
- 50km/h以上で12点と懲役または10万円以下の罰金
となります。
30km/h以上のスピード違反は、反則金ではなく、道路交通法違反として検挙されることとなるため罰金、そして10年以下の懲役刑や10万円以下の罰金となります。
飲酒運転
飲酒運転は繁華街からベッドタウンに続く道や、幹線道路などの行われる飲酒検問によって取り締まりを行います。
大きな道路だけではなく、抜け道として使われるような道路や飲酒検問がよく行われる道路と並行して走る路地などでも行われることもあるようです。
飲酒運転違反の反則金や反則点数ですが、飲酒運転はすべて反則ではなく罰則で、反則金ではなく懲役刑か罰金ということになり、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mgから0.25mgでは反則点数13点に3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、0.25mg以上では反則点数25点に3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、そしてアルコール濃度に関わらず運転をすることが困難と見られた場合では酒気帯び運転ではなく、酒酔い運転となり、35点の反則金に5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
一時停止
これも普段からよく行われている取り締まりですが、交通安全週間期間中は特に多くなります。
一時停止の交差点で影にこっそく隠れてみているあの方法を使います。
ただ、イズムはこう思うのです。
交通安全のために違反を摘発するというのであれば、その違反を起こさないようにするのが重要ではないかと・・・。
一時停止にしても、物陰に隠れて一時停止をしない車をとっ捕まえるのではなく堂々と誰からも見える位置に立っていれば、一時停止の標識などを見落とした方以外は間違いなくご丁寧な一時停止をしていきます。
それでこそ交通安全、それを行うのが交通安全週間ではないでしょうか。
指定場所一時不停止等違反の反則金や反則点数は、反則点数2点に普通車で7000円の反則金となります。
歩行者妨害
これは特に春の交通安全週間の時によくとられるものですが、要するに交差点を右折する時、左折する時に横断歩道を渡っている歩行者を無理やり止めさせたリ、歩行者の間を無理に通過した時に止められます。
こんなの日常茶飯事といっていいほど行われていることですが、普段は何も言われないのにこういった時だけ摘発されるというのも何か違うような気がするのですが。
横断歩行者等妨害等違反の反則点数は2点、反則金は9000円となります。
交通安全週間が行われる時期(及び期間)と選挙の関係
春の交通安全週間はだいたい毎年4月の中盤当たりまでに行われることが多いのですが、4年に一度の割合で5月になることがあるのです。
ちょうどその年は、統一地方選挙が行われる時で、それに合わせるように春の交通安全週間がずれ込みます。
交通安全週間と選挙で何かつながりがるのか?と思ってしまいますが、直接的な関連性はないものの、日程がずれ込む理由は間違いなく統一地方選挙によるものです。
では、どう関係があるのかということになりますが、それは単純に人員不足が生まれるからでしょう。
交通安全週間は交通課あげての一大イベントで、交通課以外にも他の部署の人間も駆り出されるぐらいの規模で行われるものです。
一方、統一地方選挙が行われる前後も公職選挙法違反の取り締まりを行うために警察あげての一大イベントとなります。
大量の人員が必要な一大イベントを2つ同時に行うことはできないため、それほど重要ではない春の交通安全週間をずらして、統一地方選挙の前後は選挙に関連することがだけに集中して人員を割き、それが終わった後に春の交通安全週間を行うという段取りになっているのです。
裏に政治的な策略があるとかではないようですね^^
最近では自転車も取り締まりが強化されている
2015年の6月に道路交通法が改正となり、自転車に関わる法律が明確化、あるいは厳罰化されたことはご存じかと思います。
イズムもその当時、雨の降った時に傘をさして自転車を運転していたら、警邏中の自転車のおまわりさんに止められ口頭での注意を受けたことがありました。
それまで当たり前に行っていたことがその時からできなくなったわけです。
通常の時でも最近は自転車の取り締まりが強化されていますが、交通安全週間になると更に強化されます。
ブレーキがついていないピストバイクやヘッドライト、後ろの反射板などがついていないいわゆる整備不良、信号無視、ヘッドフォン着用運転、スマートホン注視運転、携帯電話使用運転、傘さし運転、2人乗り運転、無灯火運転、飲酒運転などが自動車同様に厳しく取り締まられています。
自転車の違反といって軽く見てはいけません。
3年間で2回以上の取り締まりを受けた場合は、5700円の実費を払って自転車運転者講習を受けなければならず、それを無視すると50000円以下の罰金刑となります。
反則金はなく罰金ですので、当然ながら前科者となるのです。
まあ、ただ今までがあまりにも野放しだったわけですから、これくらいの罰則は設けた方がいいかと思います。
査定バカ曰く、自転車にも免許制度を適用しろ!・・・です。
交通安全の意識を持つことが重要
交通安全週間は、警察官があちこちにうようよいて、取り締まりも検問も頻繁に行われるので、ドライバーにとってはかなり迷惑な話です。
しかし、年にわずか2回のことですが、自分の運転を振り返るいい機会ではないかと思います。
それまでなんとも思わなかったことが取り締まりを受けたり、注意されたりしたことで「間違っていた」と気づくことができますし、周りを走っている車が神経質にまるで教習所の卒検を受けているような運転を見て、自分も自重しなければいけないと思うことができます。
中には交通安全週間であっても警察官の前でもとんでもない運転をする車を見ることもあり、そこからも安全運転に対する学びを得ることができるのではないでしょうか。
うっとうしいのはわかります、イズムも交通安全週間の時は車を無駄には運転しないようにしているのでそれは純分わかります。
しかし、ここで安全運転に対する意識を強く持つことが、自分のためにも家族のためにもなるのではないでしょうか。
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