アイドリングストップってあった方が良いの!?機能の明と暗
低燃費装備として、最近では当たり前のように付けられるようになったアイドリングストップ機構。
- 信号待ちなど車は止まっているがエンジンが動いている状態、いわゆる無駄にエンジンが回っている時にそのエンジンを止めてアイドリングに使うガソリンを節約しましょう。
- 上記に付随しますが、排気ガスの排出量を少なくしましょう。(環境に配慮しましょう。)
- 騒音を軽減しましょう。
というものです。
車を購入するときに、このアイドリングストップという機能が付いていた方が良いのか、付いていなくても良いのか。
これって小さな問題と思われがちですが「やっぱりアイドリングストップ機構が付いている車にすれば良かった・・」「いちいち信号でつかまる度にエンジンが止まるのが煩わしい」と購入後に悔やんでいる方って結構いるんですよね。
(ちなみに、機能が付いていることを後悔している方には良い解消法がありますので、後述しますね。)
そこで、アイドリングストップ機構は付いていた方が良いのか!?付いていなくても良いのか!?を経済的な面、機能的な面、車内快適性、電装品への影響というあらゆる視点から考えて、この悩みを解消してみたいと思います。
アイドリングストップの燃費と費用対効果
アイドリングストップ機能のメリットは先ほども言った通り、いろいろなものがありますが皆さんが感じている、あるいは一番大きなメリットと思っているものと言えば、やはりガソリン消費量の節約、早い話ガソリン代をケチることができるということでしょう。
仮にこの点だけに限定して考えてみると単純に考えればエンジンが止まっている時間が長くなるので、確かにガソリン消費量は少なくなり、ガソリンスタンドに行く回数もわずかに減るかもしれませんし、一定期間内でのガソリン代が少なくなるかもしれません。
しかし、一時的にエンジンを止めることでそういったものを軽減することはできますが、やはりメリットだけではありません。
年間あるいは手放すまでのトータルのコストとして考えると、それほどメリットが高いとは言い切れないという面もあるのです。
一般的にアイドリングストップ機構がついている・ついていないで燃費が年間で14%ほど良くなると言われており、一方でアイドリングストップ機構がついている車は、ついていないグレードの車より5万円から10万円程度、高いもので20万円くらいの差額が出るといわれています。
年間14%の燃費向上を約10万円ぐらいで買っているということです。
例えば、アイドリングストップ機構なしで年間の燃費が20km/Lのモデルがあるとします。
同じ車種で重量もほとんど同じ、ボディ形状は全く同じでアイドリングストップ機構がついているグレードがあり、そのグレードの燃費が14%燃費向上の23km/Lだったとして年間10000キロ走行でガソリン単価120円で計算すると、アイドリングストップ機構なしが年間約60000円、アイドリングストップ機構付が年間約52000円のガソリン代がかかることになります。
年間の差額8000円を車両価格の差額である10万円で買ったということです。
するとどうでしょう。
ガソリン代を節約できるからといって飛びついたアイドリングストップ機構付のグレードを買ったとしても、最低でも13年間、走行距離にして13万キロ乗り続けないとトータルでの費用でアイドリングストップ機構なしよりもお金がかかってしまうのです。
要するに費用対効果が良くないということ。
過去にハイブリッドモデルは「価格は高いが浮いたガソリン代で充当できる」という現実的には無理なことが営業サイドで使われていて、その説明に納得しハイブリッドモデルを買った方が多いようですが、それと同じことがこのアイドリングストップ機構でも言えるということです。
しかし、売る時に需要があればその分は高く売れるという面もありますので、すべてをガソリン代の差額で賄う必要はなく、売却益も合わせると充分に元は取れるという見方もできますね。
もっと言ってしまうと、近年ではECO機能や安全装備はあって当たり前という考え方も出てきていますので、ないとマイナス評価となってしまうことを考えるとあるにこしたことはないかな・・という考え方も。
何秒以上の停止で効果があるのか
単純に比較して、エンジンがかかっているより、エンジンが止まっている方がガソリン代がかかりませんよね。
これは至極当然の話しで、エンジンがかかっているからガソリンを消費するわけですので、エンジンが止まっていれば全く使われません。
これを素直に受け止めて考えれば、走っているわけでもなくエンジンの動力を使う必要もない時にエンジンが自動的に止まるアイドリングストップ機構は的を射た優れた機能だと思います。
例えば、60km/h巡行で1秒当たり約0.8ccのガソリン消費をする車があったとして、5回の信号待ち、30秒のエンジンストップがあるとすると120ccのガソリンが節約されることになります。
0.8cc×30秒×5回=120cc
これならガソリン消費量を抑えているということでメリットを感じでしょうが、現実にはそうはいきません。
さきほどの計算では、あくまでも60km/h巡行での話ですので、その途中でいきなりアイドリングストップ機構による燃料カットがされた時の計算です。
しかし、現実的には加速時の燃料増量を省いてみたとしてもエンジンを止める分には全く問題ありませんが、エンジンをかける時には60km/h巡行の時よりも、より多くの燃料噴射量となってしまいます。
エンジンというのは、サイクルを刻んで回り続けている時が一番安定している時で燃料を絞っても回り続けようとしますが、エンジン停止状態からエンジン始動をする時は非常に不安定で、巡行時と同じ燃料噴射量ではエンジンはかかりません。
だいたい1回のエンジン始動で1ccほどのガソリンを噴射するようになっていることが多く、アイドリング状態で止まっている時の消費量0.2ccの5倍の燃料が噴射されているのです。
ということは、アイドリング状態が5秒以上続くような状態でないと、アイドリングストップ機構によってエンジンが止められ、再始動される方がガソリンを消費するということになるわけです。
再始動にかかる時間とアシスト機能
アイドリングストップ機構といえども単にスターターモーターでクランクシャフトを回転させ、初爆を得るだけの話で、エンジンを手動で掛ける時と同じといっていいでしょう。(メーカーによりスターターモーターを使わない方法もあり。)
ですので、時間としては、わずか0.35秒から1秒といったところ。
エンジンが掛かるきっかけになるのは、そのモデル、自動車メーカーによって様々ですが、一般的にブレーキペダルを放した時、ステアリングホイールを回した時にかかるようになっていることが多いようです。
ブレーキペダルを放すということはこれから走り出そうとしているということであって、「走り出すのならエンジンをかけてあげましょう」ということでエンジン始動制御に入ります。
ただ、モデルによってブレーキペダルが敏感に設定がされていることがあって、ブレーキペダルは踏んでいるが踏む力が弱くなった時にもエンジンがかかってしまうものもあるようです。
意識してみると停車中もブレーキペダルの踏む力というのは結構変化しており、そのたびにアイドリングストップが解除されてしまうのはちょっと厳しいものがありますね。
ステアリングホイールが回った時というのは、例えば交差点で左折や右折をする時に対向車や歩行者が通り過ぎるのを待つ状態となっている時に、アイドリングストップ機構が働いてエンジンが止まってしまった時の対処として付けられています。
左折時、右折時にはステアリングホイールが動くことになるので、それきっかけでエンジンがかかるようになっているというわけです。
ただ、この機構も一つ問題があって、ちょっとステアリングホイールに手をぶつけてステアリングホイールが動いてしまうとエンジンがかかってしまうことがあったり、右折などに多いスタートダッシュを決める時などにエンジンがかかるタイミングを踏まえておかないと怖い目にあったりします。
わずか0.35秒~1秒程度でもそういった時は長く感じますよね。
こういった危険な状況などを踏まえて各社で開発が進んでいますので、今後の進化に期待したいですね。
スターターモーターの劣化は多少なりともあるが将来的には解消される
アイドリングストップ機構はエンジンを自動的に止めたり、かけたりするものですが、この作業を頻繁に行うことになってしまうわけで、それによっていろいろな部分に負担をかけてしまうことがあります。
エンジンが止まる分には特に大きな負担はかけませんが、エンジンをかけるという動作が補器類や電装系に多少なりとも負担を掛けるのです。
エンジンをかける時に使うものと言えばスターターモーターです。
スターターモーターは自動車につけられている電装品の中で一番強力な電気モーターで、パワーもさることながら消費電力も大きくなります。
電気モーターは完全に止まっている状態か定速で回り続けている時が一番安定しており、電気モーター自体の劣化もそれほどありません。
しかし、オンオフを頻繁に行うと、オンの時に突入電流という一時的に高い電圧がかかる電気的な現象によって、電気モーター内のコイルやブラシなどを傷めてしまう可能性が高くなってしまうのです。
要するにスターターモーターを使って、エンジンをかけるということはそれすなわち、スターターモーターの劣化を促していることになるわけです。
例えば、アイドリングストップ機構なしの車で買い物に出かけたとします。
家でエンジンをスタートして、ショッピングセンターでエンジンを停止する、そしてショッピングセンターでエンジンをかけて家に到着したらエンジンを停止する、このパターンではスターターモーターを2回しか使いません。
一方で、アイドリングストップ機構付のモデルですと同じショッピングセンターに出かけるとしても途中で3回信号に引っかかったとして、アイドリングストップ機構が機能して3回分のエンジンスタートがあるわけです。
方や2回のエンジン始動、方や8回のエンジン始動といった形になり、スターターモーターの使用頻度はアイドリングストップ機構付の方が4倍多くなります。
容量も大きく丈夫に作られているスターターモーターでも、さすがに4倍も多く使われてしまえばその分、劣化が早まるでしょう。
それによってアイドリングストップ機構なしのモデルよりもスターターモーターの故障件数が多くなってしまうという訳です。
しかし、このスターターモーターの劣化はエンジンをストップさせるのですから致し方ないとも言えますが、メーカーによってはスターターモーターを使わずにエンジンを再始動するメカニズム(詳しくは後述します)をとっているものもありますので、こういった面ではこのスターターモーターの劣化という点は将来的には改善されるでしょう。
対してカーナビやライトなどは最近のアイドリングストップでは、エンジンがストップしてもオフになることなくオンのまま付き続けますので、大きな影響はないと言えるでしょう。
ですので、電装品などへの影響は昔ほど気にする必要はなくなって来ているという認識で問題ないかと思います。
エアコンOFFなど車内快適性への影響は少ないが、冷房時には機能自体が働かないものも
家庭用のエアコンは家庭用電源を使って室外機にあるコンプレッサーを回すことで冷気や暖気を得ます。
コンプレッサーで圧縮した時に出る熱を利用したのが暖房、その圧縮したエアコンガスを気化した時の気化熱を利用したのが冷房で、どちらも家庭用(商用)電源を使った機能となります。
一方で自動車はどうかというと、冷房はエンジンの回転によってエアコンコンプレッサーを駆動し、そこで圧縮されたエアコンガスをエキスパンジョンバルブで気化して、それをエボパレーター内に運ぶことで冷気を作り出すのです。
そして、暖房はエンジンの発熱によって温められた冷却水をヒーターコアに流して暖気を得るようになっています。
早い話、どちらもエンジンがかかっている状態で機能するということです。
しかし、アイドリングストップ機構付の車ではエンジンが完全の止まる時間があります。
エンジンが止まるということはエンジンがコンプレッサーを回すことができませんし、エンジンが熱を発生させることができないということ、ただ暖房に関しては走行中にエンジンがかかっているため冷却水が十分温まっているので、それを利用することができるので完全に機能が使えないというわけではありませんが、冷房に関しては圧縮と気化を繰り返し続けなければ冷気を得ることができないので完全に機能を失います。
要するにアイドリングストップ機構が働いてエンジンが止まっている時は風は出ますが、冷たくないということです。
ただ逆に、こういったことにならないようにアイドリングストップ機構側が、エアコンで冷房機能を使っている時はエンジンストップをしないような制御をするようにしています。
本末転倒というべきなのですが、現在の技術ではそれこそ一部のハイブリッドモデルやEVのような電動式のコンプレッサーをつけない限り、エンジンが止まった状態でエアコンプレッサーを回すことができないので仕方がないのかもしれません。
バッテリーにとっては負担が大きいアイドリングストップ
自動車は、ガソリンや軽油などの燃料だけで動いているものではなく、エンジンの回転を使って発電するオルタネーターがもたらす電気も必要です。
特にエンジンスタートに使うスターターモーターはエンジン停止中のため、バッテリーからの電力だけで動きます。
前述しましたが、スターターモーターは電装品の中で一番電気を喰うもので、これを回すために相当な電力が必要となり、それをすべてバッテリー内の電力でまかなうことになりますから、エンジン始動が頻繁に行われるアイドリングストップ機構ではバッテリーにかなりの負担がかかることになるのです。
それに加えて、アイドリングストップ機構が働いてエンジンが止まっている時にも電気の消費があります。
家について車をガレージにしまった後でエンジンを止めるといった時でも電気を喰いますが、システムの待機電力とセキュリティシステムぐらいしか電気を喰うことはありませんが、アイドリングストップ機構によって信号待ちなどでエンジンが止まっている時は、カーナビやエアコンのファン、制御用電装品、ブレーキランプ、右左折時ではウィンカー、夜間の場合にはヘッドライトといろいろな電装品に電気が流れており、それをオルタネーターからではなくバッテリーに蓄えられている電気から使用しているのです。
はっきり言って、アイドリングストップ中は放電しっぱなしです^^
適度な充放電があるのはバッテリーにとっていいことなのですが、放電するだけ、それもかなりの電力を放電するだけといった状態が頻繁に訪れるアイドリングストップ機構付の車は、バッテリーへの負担がかなり大きく耐久性が著しく低下すると言えるでしょう。
ただ、こういったことを防ぐためにアイドリングストップ機構の制御として、バッテリーの充電容量が少ないとアイドリングストップを機能させなくするという制御が入れられているので、バッテリーがギリギリなのにエンジンが止まってしまうということは一応は避けられています。
しかし、バッテリーにとってはアイドリングストップ機構は過酷な環境を作り出していると言えますね。
では、アイドリングストップ機構が付いている車のバッテリーはどのようなバッテリーなのでしょうか?
このような過酷な状況に置かれるバッテリーですので、通常のバッテリーとは違うということは分かると思いますが、具体的にどう違うのかを見て行きましょう。
エコカーと通常車のバッテリーの違い
アイドリングストップ機構など低燃費装備が色々と付けられている、いわゆるエコカーには標準でエコカー用バッテリーが搭載されています。
これは通常のバッテリーのJIS規格とは違うエコ規格が適用されているバッテリーのことを指すのですが、ハイブリッドモデルをはじめアイドリングストップ機構付モデル、充電制御機構付モデルなどに搭載されているようです。
このバッテリーは通常のバッテリーと何が違うのかというと、難しく言うと充電受入性が高いのがエコ規格のバッテリーということになります。
充電受入性とは、要するに短時間でたくさんの電力を充電することできるということで、充電される時間が短いであろうエコカーにあわせて作られたものです。
ハイブリッドモデルではエンジンが止まっている時間が長いですし、アイドリングストップ機構付モデルでも停車の度にエンジンを止めてしまうので、できれば早くバッテリーの電力を復活させたいため、オルタネーターで発電した電気を余すことなく短時間でドバっと充電したいわけです。
そこで、バッテリー内部のマイナス極板にカーボンを多く含んだものを使って改良したり、同じ容量でも実際の充電容量を増やすような構造としたり、同じサイズの筐体にたくさんの電気を充電することができるような仕組みにしたりと色々な改良を加えています。
例えるなら、ポリタンクに水を溜める時に同じ量を水道の蛇口から出したとしても、ポリタンクの間口が指一本分の太さしかないのと腕周りぐらいの太さがあるとの違いです。
口が細いと外れてこぼれてしまうこともあり、効率よく水をためることができませんが、口が大きければ蛇口から出てくるすべての水を入れることができるので、短時間でポリタンク一杯に水をためることができるでしょう。
これと同じことです。
エコカーだからエコバッテリーを使わなければならない、エコカーではないのでエコバッテリーは使えないということではありませんが、バッテリー上がりをすぐに起こしてしまったり、バッテリーの充電が少ないとアイドリングストップの機能も働かないので意味がありませんよね?
ですから、エコカーにはエコカー用のバッテリーであったりアイドリングストップ対応のバッテリーを乗せた方が良いということになります。
しかし、エコ規格のバッテリーは高額というイメージはありませんか?
イズムのそのイメージです。
では、安いバッテリーでエコ規格のものはないのか見て行きましょう。
アイドリングストップ対応でも安いバッテリーはある!
アイドリングストップ対応のバッテリー、いわゆるエコ規格のバッテリーは通常のバッテリーより高い金額で売られることが多くなっています。
これは充電受入性能を高めるために開発費や部品コスト、製造コストがかかっていることと「エコ」と付けることで多少高い値段が付けられても消費者が買ってしまうという風潮があるためです。
カー用品店やネットショップでも標準タイプのJIS規格バッテリーが10000円ぐらいで売られているところ、エコカー用バッテリーとうたわれて販売されているものでは15000円ぐらいします。
もちろん容量や規格は全く同じですが、標準バッテリーとエコバッテリーということだけで、これだけの価格差が付けられているのが当たり前となっているのです。
ただ、高いエコカー用バッテリーでもメーカーを選べば安く購入することができ、アメリカ製やイタリア製、ドイツ製などといった輸入品を選べば国産品より安く買うことができます。
品質としては国産品には適いませんが、性能面では国産品と肩を並べるほどのものを持っているので1つの選択肢として見てもいいでしょう。
こういった物は車用品店などに行けば陳列されていますので、一度足を運んでみて下さい。
しかし、その中には絶対に買ってはいけないものがあります。
それが中国製のバッテリーです。
中国製の商品は品質面、性能面でかなりひどいものが多く、中には購入して1カ月後に充電できなくなった、筐体が割れてバッテリー液がダダ漏れになった、といったことが起こることがあります。
やはり日本とは質に対する考え方が違うのでしょう。
こういったバッテリーはかなり安値で売られており、先ほどの例でいうと国産エコバッテリーとして15000円ぐらいで売られているものが、中国製で同程度の性能を持つものが、5000円から8000円ぐらいで売られています。
国産品の1/2から1/3の価格で売られているので、こういったことに疎い人なら「安い!」ということで買ってしまうかもしれません。
安物買いの銭失いとなってしまわないように、バッテリーは安くても中国製は買わない!・・・これが鉄則です。
ちなみに、ディーラーで指定のバッテリーを交換するとなると物だけで2万円以上はしますので、技術はお墨付きですがディーラーでの交換はイズムはお勧めしません。
先ほど言った車用品店で同等の物が半額で手に入りますので^^
アイドリングストップはキャンセルすることもできる
アイドリングストップ機構が標準装備されることが多くなってきましたが、必ずしもアイドリングストップ機構を誰もが必要としているわけではありません。
止まるたびにエンジンが止まり、バッテリーに負担をかける、ブレーキペダルを放せば毎回キュルキュルッとスターターモーターが回る音がうっとうしい、その割には燃費性能向上に役立っていない、車が重たくなる、故障が多くなるといったように搭載されていることがデメリットと感じる方も少なくないでしょう。
一応、だいたいのモデルにおいてアイドリングストップ機構をキャンセルするスイッチ、オンオフをするスイッチがついていますが、エンジンを止めて車を降りると次にエンジンをかけた時にまたオンになってしまうので面倒臭いと思っている方も多いのではないでしょうか。
ならば、元からアイドリングストップ機構が効かないようにしてしまおうということになりますが、アイドリングストップ機構は他の制御系と密接に関係しています。
例えばある配線をカットするだけでアイドリングストップ機構が聞かなくなったとしても、他の部分でトラブルの原因になったり、警告灯が点灯したりと面倒なことになってしまうのです。
常にアイドリングストップ機構をオフにしたいという方には、サードパーティーから発売されているアイドリングストップキャンセラーなるものをつけると良いでしょう。
これは電子部品として作られているもので、通常のアイドリングストップキャンセルスイッチとECUやアイドリングストップ制御用のコンピューターとの間やECUから出ている配線にこのアイドリングキャンセラーを割り込ませる形で配線をすることで、イグニッション停止前のスイッチの状態を電気的に記憶しておき、次にイグニッションをオンにしてエンジンをかけた時にその状態を復元するというもので、要するに1度アイドリングストップをキャンセルしたらずっとそのキャンセル状態を保つことができるというものです。
これなら乗るたびに行っていた煩わしいスイッチ操作から解放されることでしょう。
ただし、車にとって非常に大事な配線に割り込ませることになりますので、自分で付ける時にはそれなりの技術が必要です。
自信がなかったらプロの整備士にお願いした方が良いでしょう。
これでアイドリングストップ機構が付いている車を購入してしまい後悔しているという方も、悩みを解消することができますね。
アイドリングストップの機能は進化を遂げている
車が停止するとエンジンが止まり、ステアリングホイールを回したり、ブレーキペダルを放したりといったきっかけでエンジンが再始動するアイドリングストップ機構ですが、構造としては既存のものを使っており、あとはスピードセンサーから車が停止中なのかそうでないのか、ブレーキオイルの油圧を測るセンサーからブレーキペダルが踏まれているのかいないのか、ステアリングコラム内につけられている舵角センサーからステアリングホイールが停止しているのか回されているのかなどを判断し、バッテリーの電圧、エアコンスイッチのオンオフなどを踏まえた制御を行うことで実現している自動車の制御としては比較的簡単な仕組みになっています。
しかし、この簡単な仕組みであるアイドリングストップ機構も進化が止まりません。
ただ単にエンジンを止める、エンジンをかけるということでなく、いかにドライバーに負担を掛けさせないか、いかに違和感を持たれないかということが考え続けられているのです。
例えば、日産のセレナにつけられているものやスズキの軽自動車などにつけられているものでは、他の低燃費装備であるS-HYBRIDやS-エネチャージ、エネチャージというハイブリッドシステムや充電制御のためにつけられているオルタネーターをスターターモーターとして使うという機能を利用して瞬時にエンジンをかけることができるようになっています。
通常のスターター構造というのはエンジンスタート時にスターターモーターにつけられたピニオンギヤが飛び出してきて、それがフライホイールにつけられているリングギヤと組み合わされることでエンジン始動を行うもので、多少なりとも機械的な動きがあり、それによってエンジン始動まで時間がかかってしまうのです。
しかし、日産やスズキのアイドリングストップ機構では、ベルトで常にクランクシャフトとつながっているオルタネーターをスターターモーターとするため、機械的な動きがないので瞬時にクランキングができるのです。
クランキングとは、エンジンが回り出すきっかけ、ピストンの上下運動を作り出すことです。
それから、ちょっと変わった構造を持つのがマツダのi-stopになります。
このシステムはエンジン停止時に一部のシリンダーのピストン位置を調整し、エンジン始動時にスターターモーターだけに頼るのではなくシリンダー内に燃料噴射を行い、更に点火信号を送って点火させることで初爆を得るようにしています。
その初爆によるピストンの押し下げをエンジンスタートの1つの行動として、スターターモーターによるクランクシャフトの回転をスムーズにすることからスピーディーにエンジンをかけることが出来るようにしているのです。
残念ながらシリンダー内に直接燃料噴射をしなければならないので、直噴エンジンにしか搭載できませんが、現在のマツダのエンジンのほとんどが直噴エンジンだったり、ディーゼルエンジンであったりするので搭載車種に困ることはありません。
これらのように単なるアイドリングストップ機構でもいろいろな仕組みが考えられており、エンジン再始動にかかる時間もコンマ単位で短くなって来ているわけです。
環境意識や状況次第でアイドリングストップが活かされるかが決まるが、イズムの個人的な見解と一般的な見解
アイドリングストップ機構は燃費性能を向上させるための機能ですが、これがついているからといって必ずしも燃費が良くなるわけではありません。
確かにカタログ燃費上では、アイドリングストップ機構がついていないものより数km/L程よくはなっていますが、それはあくまでもテスト値であって、実際の公道を走って出された燃費の数字ではないのです。
実走行では、アイドリングストップ機構の効果よりもドライバーの運転意識が一番重要な低燃費装備といえるでしょう。
アイドリングストップ機構のオンオフにしても、切ってしまえば全く効果を得ることができないことを知っていながらうっとうしいということでスイッチをオフにしてしまう、そしてそれを継続する電子パーツをつけてしまう(前述したキャンセラー)、こういったことで燃費の向上などできる訳がないのです。
そして、アイドリングストップ機構というのは走行中の燃費性能には全く関係ない話ですので、いくら優れた先進的なアイドリングストップ機構がついている車に乗っていても、急加速や急発進、加速時に高回転維持といった運転の仕方をしてしまえば燃費などよくなるわけがありません。
それならアイドリングストップ機構がついていない車で大人しい運転をした方がよっぽどいい実燃費を出すことができます。
今では多くの車に機能が付いている訳ですから、どうせアイドリングストップ機構がついているのであれば、それを十分に活用しましょう。
とはいっても・・・どうなのでしょう。
全体的に見てアイドリングストップ機構がどれだけ低燃費に貢献しているのかということを考えると、イズムとしてはわざわざオプション費用を払ってまで、購入するグレードをアップしてまで手に入れる必要性はないかと考えます。
ただし、現在ついているのであれば存分に有効活用すると思います。
と、ここまでが査定バカ個人的な意見で、一般的に見るとこんな感じです。
今後のトレンドとしては付いていた方が良い、付いているのが当たり前という時代が目の前まで来ていますので、売却の事を考えると付いている方を選ぶのが正解かと。
自動ブレーキに然り、アイドリングストップ機構に然り、将来的に一般消費者はこういった機能が搭載されている車を選ぶというのが基本になって来ると思います。
そうなると、機能が付いていない時点で査定額が下がり、購入時にアイドリングストップ機構の5万円をケチったがために、(大袈裟かも知れませんが)10万円以上も査定額が低くなってしまう、そんなことが起こる日も近いのではないでしょうか。
まぁ、中古車ならまだしも新車の場合は多くの車種に標準装備されつつありますので、あればあった方が良いという認識で良いのではないかと思います。
どうしても停車時にエンジンが止まってしまうのがダメだと考えるならキャンセラー買えば良いですしね。
と言うことでまとめ!
アイドリングストップ機構は、そこまで効率的に燃費を改善してくれるものではないが、将来的には付いていないと価値が低くなる可能性があるので、搭載している車を選んでおいた方が無難!
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