カタログ燃費が出ない!測定方法や実燃費のなぜ?から燃費競争の末の偽装問題まで
車を新しく購入したが購入時に聞かされていた燃費には遠く及ばない、そんな経験はありませんか?
これは誰もが経験するカタログ燃費と実燃費の差によるものです。
元々カタログに載せる為の燃費は良い燃費が出るように整えられた実験室で計測され、実燃費は運転者が快適に過ごせるように車内環境を整えられた悪条件のもと計測されますので、差が生まれて当然なのですが、あまりにもこの差が大きすぎると自動車メーカーに対して不信感を抱いてしまいますよね。
そこで、カタログ燃費はどのように測定されているのか、なぜここまで大きな差が生まれるのかをお話しして行きたいと思います。
2017年現時点でのカタログ燃費とはJC08モードで計測した燃費のこと
国産メーカーのカタログに載っている燃費データは、現在JC08モードで計測されたものです。
JC08モードとは、2011年4月以降に採用された燃費測定方法になり、それ以前の10・15モードよりも実際に走行した燃費により近いとして新たに採用されました。
◇JC08モードと10・15モードの燃費計測方法の違い
JC08モードには、10・15モードにあった走行パターンの燃費測定に加え新たにエンジンが冷えた状態からのスタートが加えられたのです。
10・15モードよりJC08モードの測定値では1割低くなりより実燃費に近い表示に成功しました。
実燃費により近い値となったJC08モードですが、これでも実際に車を使用した時の実燃費は、ガソリン車で2割減ハイブリッド車ではさらに4割減程の値が実燃費と言われています。
より実燃費に近い国際基準のWLTPへ2018年10月から移行が決まっています
実際の燃費よりも2割減、4割減とかなりかけ離れた数値からユーザーからは不満の声が高くなっています。
このことから、より実燃費に近い国際基準のWLTPへ2018年10月に移行が決定しました。
これまでのJC08モードと10・15モードの燃費測定法は日本独自のものでしたが、2018年導入予定されているWLTPは、国連が取りまとめた燃費測定法になります。
低速から超高速までの4段階の速度域でそれぞれ分けて計測するもので、日本では超高速を除く3段階で計測します。
超高速は速度無制限のアウトバーンなど250kmの速度域の高速走行を想定したものでしょう。
日本国内では、高速の速度制限は100km。
最近では実験的にごく一部の高速で110kmに最高速が上げられる予定です。
日本国内の状況では速度無制限の超高速は必要ない状態ということで3段階にされたのでしょう。。
JC08モードからWLTPに変わると測定方法はこうなる
今までのJC08モードでの表示の仕方は、あくまでも平均の燃費でしか表示されていませんでしたが、測定方法が低速~高速までの3つで計測され、表示の仕方も市街地・郊外・高速、そして平均と4つの表示方法に変更されます。
より具体的に運転者の状況にあった視点でカタログ燃費を見ることが出来るようになるということです。
WLTP導入によりカタログ燃費と実燃費の差が縮まる可能性が高い
高速道路での使用が多い方は高速での燃費、通勤や休日のお買いもの中心の使い方なら市街地、地方に住んでいる方や郊外に良く出かける方なら郊外の燃費が良い車を探せばよいことになります。
WLTPに移行するとよりユーザーサイドに寄った燃費となるのは明らかですね。
カタログ燃費と実燃費に差が生まれる理由
10・15モード、JC08モード、そして新たに導入されるWLTP。
新しい燃費測定法が導入されるたびに実燃費に近い値になって来ています。
しかし、現在のJC08モードでの実燃費の差は、ガソリン車で2割減、ハイブリッド車では4割減です。
例えばWLTPの測定燃費ではガソリン車で1割減、ハイブリッド車では2割減と実燃費との差が縮むのでしょうが、それでも依然として実燃費とカタログ燃費との差はなくなることはありません。
それはカタログ燃費が実験室でプロドライバーが運転していることから得られる実験データの値に過ぎないからです。
私たちが実際に車を運転して感じている実燃費は、エアコンで温度調節をしラジオやカーナビなどを運転中に使用しています。
雨が降れば、ワイパーや熱線も使い走行状況は何時も燃費に良い晴天ばかりではないのです。
また、アクセルの踏み方もゆっくり穏やかに踏む方もいれば、スイッチのようにアクセルをバタバタ煽る踏み方もする方いるでしょう。
ですから、実験室で暑くても寒くてもエアコンを使用しないで無音のなかメーターとにらめっこして作られた燃費データと実際の燃費が一致することはないのです。
過去にあった燃費データ偽装問題
燃費に付いて理解したところで、今までにあった自動車メーカーによる燃費の偽装問題に付いてお話をしてみたいと思います。
燃費偽装の引き金
偽装問題の発端となる燃費競争が始まったのが2012年頃のこと。
プリウスなどに代表されるハイブリッド車が台頭してきてエコカーブームが巻き起こり、その省燃費の影響が第三のエコカーとなる軽自動車にまで波及してきて、スズキ・アルトとダイハツ・ミラに始まり、後半にはホンダ・N-ONEなどが参戦、そして最後には国産軽自動車メーカーすべてが加わり鮮烈な争いが始まりました。
軽自動車は政府の温情処置で便利な車を所得が少ない家庭でも所有できるように格安の税制(1000ccクラスのリッターカーの自動車税で29,500円、これが軽自動車となると約3分の1の10,800円)が施されて、さらに車両価格やタイヤなども安く、5ナンバーに比べ格安の維持費になっているということもあり、ブームとなったのです。
そこに2008年のリーマンショックが起き市場経済が冷え込み企業の収益も伸び悩み、その結果サラリーマンの給料も減り、自動車市場も高級な大型車から燃費の良く維持費の安い軽自動車へ目が向けられるようになりました。
多くの人が軽自動車の省燃費を追い求めることとなり、一時期の軽自動車市場では、モデルチェンジやマイナーチェンジ、さらには年次改良まで1キロごと(数百メーター刻み)の燃費競争になって行ったのです。
最初はスズキとダイハツ、そしてホンダが加わり3つ巴の戦いとなり、最後には日産・三菱連合軍参戦の軽自動車メーカーの全面的抗争にまで発展しましたが、戦列を極めた燃費競争も2016年の三菱の燃費データ偽装事件で一旦幕を下ろしました。
さらに三菱以外にもスズキも燃費データの不正がありましたが、これらの燃費不正問題が発覚し世間を騒がせたのは記憶に新しいことです。
軽自動車から大型バスやトラックまでのフルラインアップを誇る国産自動車メーカーは唯一三菱だけでしたので、とても残念でなりません。
①三菱自動車の燃費偽装問題
2016年4月三菱自動車から燃費データを偽装したことが発表となりました。
問題となったのは日産と三菱で共同開発した軽自動車ekワゴン・ekスペース・デイズ・デイズルークスの4つのモデル。
燃費偽装問題が解決するまで無期限の販売停止措置がとられました。
問題が発覚したのは2016年4月ですが、それよりも前の2015年11月に日産がデイズ・デイズルークスの燃費実験を行ったところ発表されていた燃費データが得られないところから三菱にどうなっているのか問い直したところ発覚したのが事実です。
三菱側の燃費測定の下請け会社が、ありもしない燃費データをねつ造したのが真実。
どうやら、開発・企画、デザインは日産側で実際の車の開発には三菱で行われたようですね。
国土交通省が算出する燃費の値は、各メーカーから提出されている走行抵抗値が基礎となっていますが、三菱の下請け会社は、実車で走行試験を行ってアクセルを踏まずに一定速度まで落ちる時間を計測をしないで、希望的数値を入力して望みの燃費データを算出していました。
実際の実験結果から目標の燃費データが得られなかったことから、机上の数値から目標の燃費データを得ていたのです。
なぜこのようなことになってしまったか?
原因は、三菱自動車の体質によるものであることは間違いありません。
上層部からの目指す燃費達成は、かなり無理なものでしたが、実験部隊では目指す目標を達成するには、時間的に無理の返答が出来なく仕方なく行った結果なのです。
サラリーマンとして上司からの命令は、軍隊で言えば上官からの命令と同じもので逆らうことは出来ません。
もし、逆らえば解雇か左遷が待っています。
しかし、いくら上司の命令が絶対と言っても不正を行ってまで目標達成せよとは決して言わないはずです。
机上の数字を入力して、希望の燃費に達成することは会社上層部を満足させることであって、車を購入するユーザーに対しては裏切り行為にしかなりません。
さらに、過去に販売していたモデルすべて燃費偽装を行っていたのは驚きの事実です。
三菱自動車は、部下が思ったことを言えない風通しの悪い会社なのでしょう。
燃費偽装問題以前に、三菱はリコールの隠ぺい事件などの教訓がまったく生かされていません。
ディーラーに行っても他メーカーよりも素っ気ない対応から、大資本の三菱グループの一員であるプライド感が凄く強く感じられます。
2016年4月の問題発覚から同年7月に決着がつくまで三菱の業績は悪化、結果は日産の子会社になり下がってしまいました。
会社倒産まで噂されていた中、三菱ブランドが残ることは本当によかったですね。
一時期は、マツダやホンダと市場を争っていた名門メーカーだった三菱は、最近のメーカーランキングでは最下位に転落したまま・・・。
長年、最下位に甘んじてきたスバルは三菱よりも一つ上のランクですが、現在の三菱ではスバルに追いつくのもかなり難しいものがあります。
燃費偽装問題は、長年三菱ブランドを愛用してくれていた顧客を裏切る行為。
信頼は、一時に築けるモノではありません。
長い年月がかかるものです。
ランエボやパジェロで築いた確かなブランド力も台無しにしてしまいました。
いったいいつまで三菱の凋落は続くのでしょうか。
②スズキの燃費偽装問題
三菱に続き、2016年5月に発覚したのがスズキの燃費偽装問題です。
国が定めた測定方法と異なる環境で測定したことからカタログ値との差が出ていることを発表しました。
スズキが販売する全26モデルが対象。
屋外で測定しなければいけないところを屋内でやったことが違反だとか・・。
海沿いのテストコースは、強い浜風の影響をモロにうけることから屋内測定を行っていたようです。
会社資金が潤沢でない小さなメーカーならではの悩みみたいなものでしょうか。
また、スズキは既定の3倍以上の荷物を積んで燃費データを測定。
これは、スズキ社長が車は家族が乗るものだから3名乗車で考えろから来たことです。
スズキは実現できない燃費データをねつ造したのでなく、正しい方法で燃費データ試験を行わなかっただけで、正しい燃費試験を行ったところカタログ燃費データよりも若干よい結果となりました。
ちなみに、あまりカタログに示した数値と違わないことからカタログ値の変更を行っていません。
スズキは、燃費偽装問題で株を上げたのです。
ちなみに、輸入車のフォルクス ワーゲンは、燃費偽装ではありませんがディーゼル排ガス値を偽装したとして一時期世間を騒がせましたね。
この時のVWの販売台数は激減し50%を切った程です。
偽装は一時会社を潤しますが、バレた時にはカラッカラになるまで首を絞められますので、相当な覚悟がない限りするもんじゃないですよ。
燃費データは車を購入する上で重要な決め手になります。
他の国産メーカーが燃費偽装をしていないのか・・。
実は氷山の一角でどのメーカーでも不正しているのでないか?と疑心暗鬼に陥ってしまいます。
疑えば、まったくキリがありません。
ここは他のメーカーは決して燃費偽装は行っていないと信じましょう。
なんてたって「信じる者は救われる」と言われていますから。(笑)
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